現代アートの楽しみ方
現代アートは、「美しさ」や「価値」、「この作品の存在する意味」を一緒に考えてほしいというメッセージが形になったものである。
一方通行に受け取る(知識の再確認)だけでなく、アーティストとアートを通じて対話しないといけない。
※ 感性の豊かさはタネの多さに比例する部分もある。
デザインとアートの違い
- デザイン: 目的を達成する手段であり、他人によって評価される。
- アート: 表現することが目的であり、他人の評価は関係ない。
デュシャン
アートは目で見て楽しませるだけでなく、考えさせるもの。
岡本太郎
芸術とはここちよくあってはいけない。 ここちよいというのは、自分程度のものだからここちいいのだ。
鏡は自分の内面と対峙するためにある。 自分自身の表情や仕草は色々教えてくれる。 外見を気にするだけではつまらない。
徹底的な対決こそ、本当の協力なのだ。 同調・妥協は何も生み出さないし、不潔である。
花はきれいだ。しかし美しいと思わない。 いかにも喜ばれたい好かれたいというポーズがどうもうれしくない。 自分は自分の信念に従って強く生きてゆくというストイックな気配が花には見られない。
コンセプチュアルアート
コンセプチュアルアートにおいてアイデアないしコンセプトは作品の最も重要な側面である。 全ての計画や決定は事前に行われ、実際の作品は取るに足らない事柄となる。
現代アートの歴史
Q. なぜピカソやデュシャンが評価されているのか?
A. 「アートとは何か?」「アートは美しくないといけないのか?」等を疑問に思い、アートのパラダイムシフトを起こしたから。
近代以前
ルネサンス画家
- 画家 = 「依頼」されたものを描く職業。
肖像画(貴族)、宗教画(教会)、風景画(裕福な市民)
- 正解 = 現物に忠実であること。
転換点
カメラの登場
- 正確に描くことはカメラには敵わない = 「今日を限りに絵画は死んだ」
- アートの意義が失われてしまう?!
→ 20世紀画家の登場
アンリ・マティス
- 正確に描くこと = アート? 【否定】
パブロ・ピカソ
- 遠近法 = リアル? 【否定】
ワシリー・カンディンスキー
- なぜ具象物を描くのか? 【否定】
マルセル・デュシャン
- アート = 視覚芸術? アート = 美しい? 【否定】
ジャクソン・ポロック
- 絵画はイメージを映し出すもの? 【否定】
アンディー・ウォーホル
- アートと非アートを区別するものとは? 【否定】
結論
- アートは存在しない? アーティストがいるだけ?
見るべき絵画
- アヴィニヨンの娘たち: パブロピカソ
- アートって美しく描かないといけないっけ?
- 秘儀荘「ディオニュソスの秘儀」: 作者不明
- 古代ローマのポンペイにもアートが?! 時代を超えたアート。
- 生フランチェスコの伝説: ジョット・ディ・ボンドーネ
- 宗教画を人間らしく描くのってタブーなのに…
- プリマヴェーラ(春): サンドロ・ボッティチェリ
- 制作者(アーティスト)ファーストで、アートを商品から作品へ。
- 最後の晩餐: レオナルド・ダ・ヴィンチ
- 劣悪な環境の中の奇跡。
- セザンヌ夫人: ポール・セザンヌ
- 貴族を権力を誇示するための絵ではなく、ありのままを描いてみた。
- バルコニー: エドゥアール・マネ
- 娼婦の裸体を描くというタブー。
- 大壁画「睡蓮」: クロード・モネ
- 印象派の語源であり、アトリエではなく、「外」で描く。
- エトワール: エドガー・ドガ
- 肖像画とかポーズではなく、ある一瞬を切り取ったかのような。
- 星月夜: フィンセント・ファン・ゴッホ
- 生前認められなかった悲運のアーティストの最高傑作。
- アデーレ・ボロッホ=バウアーの肖像 Ⅰ: グスタフ・クリムト
- ナチスなどによって紆余曲折あった絵。
- 真珠の耳飾りの少女: ヨハネス・フェルメール
- 感情のゆらぎをたくみに切り取り、絵にしたが、状況設定がわからない絵。
- ブリオッシュのある静物: ジョルジョ・モランディ
- 同じような絵を同じように描く、それでもすべての絵は違う、人間のように。
- マドリッド、1808 年 5 月 3 日: フランシスコ・デ・ゴヤ
- 世紀の一瞬を切り取った報道写真のような絵であり、戦争を悲劇として描いた最初の画家。
- ダンス: アンリ・マティス
- 圧倒的に色彩が全てであり、色が人を驚かした。
- 夢: アンリ・ルソー
- 死んでから評価された画家その 2。
- ゲルニカ: パブロ・ピカソ
- 反戦の象徴。
- おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン: オーブリー・ビアズリー
- タブーに挑んだ画家。
- 黒の正方形: カジミール・マレーヴィチ
- 絵画が描いているものではなく、絵画そのものに注目。
- Number 1A, 1948: ジャクソン・ポロック
- 絵画を真上から描く視点。キャンバスを立てるのではなく横にする。
- シーグラム壁画: マーク・ロスコ
- ロスコ一色しか認めない。
- テワナ衣装の自画像、あるいは私の考えの中のディエゴ、あるいはディエゴへの思い: フリーダ・カーロ
- 一般公開されたそのアーティスト自身のアトリエに行くのもいいよね。
- 聖マタイの召命: ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ
- 光で照れされると別の側面がでてくる、今この瞬間を!
- オルナンの葬儀: ギュスターヴ・クールベ
- 個展を初めて開いた人?
- 叫び: エドヴァルト・ムンク
- 思ったとおりに表現する+心象風景を描く、叫びに耳を塞いでいる絵。
- 道: 東山魁夷
- 太平洋戦争中に死を目前にしてからこそ。
参考文献
- 「自分だけの答え」が見つかる13歳からのアート思考、末永幸歩
- 「現代アートをたのしむ」、原田マハ、高橋瑞木
- これから: 岡本太郎の書、岡本太郎
- アート鑑賞、超入門! 7 つの視点、藤田令伊
- いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画、原田マハ